2022年6月18日 / 最終更新日 : 2022年11月15日 times 因島文学散歩 因島文学散歩「風のささやき」柏原林造さん自費出版 本紙連載でおなじみの柏原林造さんが5月、自費出版「風のささやきー因島文学散歩他ー」を発表した。 第1章「因島文学散歩」は、本紙2019年6月8日から不定期に掲載されたもの。生名渡しから始まり、柏原神社▽椋浦廻船燈籠▽百貫 […]
2020年5月30日 / 最終更新日 : 2020年6月11日 times 因島三庄町 因島文学散歩【20】千守城跡付近(因島三庄町千守) 千守城跡付近(因島三庄町千守) 三ノ庄町の私の下宿してゐた土井医院の裏山は和寇の本城である。頂上の館の跡と思はれる平坦な空地には、今は庵寺のやうな家が建つてゐる。井伏鱒二全集5、153頁 これまでに何度も本紙で紹介された […]
2020年5月16日 / 最終更新日 : 2020年6月1日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【18】金蓮寺(因島中庄町) 瀬戸内海では比較的大きいこの島は昔は稲作も盛んで、島というよりは陸(おか)の印象があったらしく、同じ村上水軍の中では海賊の面影が何となく淡い。とはいっても瀬戸内海の覇者村上家のれっきとした一族で、家系では村上始祖の三男顕 […]
2020年5月2日 / 最終更新日 : 2020年5月15日 times 因島土生町 因島文学散歩【17】土生港付近(因島土生町) 土生港付近(因島土生町) (昭和50年くらいまでは)因島にも大正座のほかに白滝座、常盤座、聚楽館、大谷座と上映館があり、しのぎをけずっていたという。それがつい最近では、大正座と日立会館の二つになってしまい、いずれも檀上さ […]
2020年4月4日 / 最終更新日 : 2020年4月19日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【15】明治橋付近(因島田熊町) 明治橋付近(因島田熊町) 終わりよければ全て良し、の反対は終わり悪ければ全て悪し、ということになるのであろうか。林芙美子と「因島の男」とのことは、家族の反対にあって、男が一方的に破談にしてしまったということで、後味が悪い […]
2020年3月28日 / 最終更新日 : 2020年4月6日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【14】因島公園(因島土生町) 麻生イトさんが実名で登場する今東光の小説『悪名』を出すと、聡明な読者なら、そろそろネタ切れが近づいたな、と感じられるに違いない。そしてこの連載があと何回続くか、賭けてみようという人たちが出ても仕方がない。 麻生イトさんは […]
2020年3月14日 / 最終更新日 : 2020年3月30日 times 因島中庄町 因島文学散歩【13】中庄公民館周辺(因島中庄町大江) 中庄公民館周辺(因島中庄町大江) 東京オリンピック・パラリンピックの開催が危ぶまれているが、前の東京オリンピックの時、ウルトラCという言葉が流行った。時代もどんどん進化していたが言葉もまた同様であった。ウルトラCがウルト […]
2020年2月29日 / 最終更新日 : 2020年3月7日 times 因島中庄町 因島文学散歩【12】鴻雪爪の墓(因島中庄町金蓮寺) 鴻雪爪の墓(因島中庄町金蓮寺) 小林の倅、すなわち小林無底和尚に連れられて因島を出た鴻雪爪(おおとりせっそう)は無亭和尚の指導で大成するのであるが、小林無底和尚の子が永平寺六十二世管長となる青蔭雪鴻である。青蔭雪鴻にとっ […]
2020年2月8日 / 最終更新日 : 2020年2月20日 times 因島中庄町 因島文学散歩【11】鴻雪爪生誕生地碑(因島中庄町大江) 因島中庄町の公民館一帯は元、中庄小学校があったところで、公民館の前には最近まで幼稚園があった。幼稚園があった頃は開園中か、休日には施錠されていて勝手に入ることができなかったが、その園庭だったところに「鴻雪爪誕生地碑」の石 […]
2020年1月11日 / 最終更新日 : 2020年1月26日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【10】奥山(因島三庄町他) 奥山(因島三庄町他) 右舷にはずっと因島の濃い島影が続いていた。さすがに因島は大きく、浜や段々畠で立ち働く人の姿が目についた。武吉は椋浦に船を寄せ、因島村上の青影城を訪ねた。 城山三郎『秀吉と武吉』(新潮文庫、226頁) […]
2019年11月16日 / 最終更新日 : 2020年1月29日 times 三原市 因島文学散歩【9】宿禰島(三原市鷺浦町) 宿禰島(すくねじま)(三原市鷺浦町) 海は蒼く静かにうねる。島々はまだ朝もやのうちにあるが、東の空はもう明るい。ゆっくり単調にこぐ千太の太い腕。トヨは腰の手拭ではじめて汗を拭う。小さな伝馬船の行手には、掌に乗るような島が […]
2019年10月19日 / 最終更新日 : 2019年11月1日 times 上島町 因島文学散歩【8】百貫島(愛媛県越智郡上島町) 間もなく、船は浄土寺の前を過ぎ、市(まち)を出はずれて、舵を南へ南へととり、向い島を廻って、沖へ出て行った。彼は因の島、百貫島、その位で島の名を知らなかった。然し島は一つ通り越すと又一つと並んでいた。志賀直哉『暗夜行路』 […]
2019年10月5日 / 最終更新日 : 2019年10月23日 times 因島中庄町 因島文学散歩【7】青影山(因島中庄町・因島田熊町) 青影山(因島中庄町・因島田熊町) 瀬戸内海の諸水軍を大統一したのは伊予の村上義弘である。かれは戦法に長じ、その戦法はやがて村上流といわれるようになった。やがて村上氏は、因島村上氏、来島村上氏、能島村上氏などにわかれた。司 […]
2019年9月14日 / 最終更新日 : 2019年10月7日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【6】日立造船(因島土生町・因島三庄町) 「伊号第三三潜水艦」は、赤錆びた艦体を御手洗海岸近くに浮べている。又場にとって海底に沈められていた巨大な棺ではなく、会社経営の利益の対象になったのだ。艦体の腐蝕も少く、殊に浸水していなかった魚雷発射管室は貴重で、艦を視察 […]
2019年8月31日 / 最終更新日 : 2019年9月9日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【5】椋浦廻船燈籠(因島椋浦町) 椋浦廻船燈籠(因島椋浦町) 亀五郎は、芸州椋之浦(現広島県尾道市因島椋浦町)の生れで、十年ほど前(1851年)、船乗りとして江戸から帰航中、熊野灘で遭難、破船漂流してアメリカ商船に救けられ、サンフランシスコに上陸した。一 […]
2019年8月17日 / 最終更新日 : 2019年8月28日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【4】柏原神社(荒神社・因島重井町上坂) 静かにたたえる みどりの海の 潮のかおりの かよう窓べ やさしく われらに ささやく声よ われらは われらは 重井の健児 船の絵を描くとき、島の山に緑色を使うので、海は青色となる。これはもう幼稚園の頃かそれ以前からの定番 […]
2019年7月13日 / 最終更新日 : 2019年8月19日 times 因北小学校 因島文学散歩【3】因北小学校(因島中庄町) 朝日かがやく 燧灘 夕日にはえる 青影山 みかん花さく ふるさとは いつも幸い あふれてる ああ学びやは 因北小 空はれわたり 風清ら (因北小学校校歌3番) 因北小学校の正門の隣の塀には、黒い御影石に掘られた校歌が埋め […]
2019年6月22日 / 最終更新日 : 2019年7月5日 times 因島文学散歩 因島文学散歩【2】白滝山(因島重井町) 白瀧の石の羅漢の尖(とが)りたる頭のうへの山藤の花 吉井勇は土生で3首の歌を残した翌日か、さらに次の日にか重井の白滝山へ登った。おそらく船で移動したのだろう。歌集には6首が採られている。そのうち羅漢についてが3首あり、ど […]
2019年6月8日 / 最終更新日 : 2020年5月5日 times 因島土生町 因島文学散歩【1】生名渡し(因島土生町) 生名渡し(因島土生町) 島々の灯ともし頃をゆるやかに生名(いくな)渡しの船は出づらし 吉井勇 昭和11年、吉井勇(1886~1960)は岩城島から因島へ入った。岩城島では歌人でもあった豪商・三浦氏の客となって、若山牧水を […]