園芸用はさみ製造のトップメーカー(株)岡恒鋏工場(本社・尾道市因島田熊町18-1、岡野忠嘉社長、TEL0845-22-2546)は、因島重井町の商工業団地内に省力化と海外市場の需要に対応するため工場建設を急いでいたが第2期工事の剪定(せんてい)ばさみ仕上げ工場と倉庫が3月末に完成、操業を始めた。

 新工場は鉄骨平屋1468平方メートル。刃物の穴開け、組み立て、研磨など数十の工程に数値制御(NC)システムやロボットなど高性能の機械を導入。製品の精度を保つ場内の室温は、南側の屋根360平方メートルにソーラーパネル180枚を設置、地球温暖化につながる太陽光発電でまかなう。

  同社の設立は大正14年。岡恒商会として農工用の肩掛けポンプ(噴霧機)メーカーから昭和22年柑橘用剪定鋏を試作。同26年(株)岡恒鋏工場を設立。現在、園芸用刃物を年間百万丁製造、出荷。売上高は約10億円。従業員46人。台湾、韓国、米国、ブラジルなどへ輸出。ヨーロッパではオランダに代理店がある。

 近年になり国内のホームセンターに「岡恒コーナー」が設けられるようになった。海外ではイミテーション(模造品)が製造販売されることもあるほどの高いブランド力。その一方で「日本刀のような芸術品…」とアメリカの大手オンラインショップなどでユーザーに評価され、岡野社長は「喜んでいいのだろうか」とはにかむ。古都の寺院の庭師が岡恒の鋏(はさみ)を愛用。池坊が推薦する生花鋏は郷土の自慢でもある。

 現在、同市瀬戸田町に主力工場があるが、約1ヘクタールの敷地を因島重井商工業団地に確保。3・4期工事で同団地に工場を集約する。

岡恒鋏工場