ふるさとの史跡をたずねて【422】小学校史②振徳舎

小学校史②振徳舎

明治5年の学制により、いわゆる公教育が始まる訳であるが、それ以前に教育機関がなかった訳ではない。寺小屋という言葉は誰もが知っているように全国的にお寺で庶民教育はなされていた。ただ僧侶だけでなく、地域によっては神主、医師、修験道者などの知識人が私塾を開いていた場合もあった。それらに変わるものとして小学舎を設置したのであるが、しばらくはこれらの私塾も許可されていた。

第16小区の因島では申請により、明治6年4月に重井、田熊の2箇所に小学舎を設置することが広島県により許可された。同時に舎号(学校名)として「振徳舎」(重井村善興寺)、「研幾舎」(田熊村浄土寺)が定められたが、「研幾舎」は「尚純舎」に変わった。教師は、「振徳舎」が沼田良蔵、「尚純舎」は村上万之助であった。どちらもお寺が使われているので、以前から寺子屋があったことが想像される。と同時に、財政的な面からもお寺をとりあえず教場としたのであろう。

明治6年10月より10年2月まで使用された「振徳舎」の間取り図=写真㊦=では教員室4坪、教室32坪、便所2坪である。10月が開校でその間は準備期間だったと考えられる。また10月に川口大師堂に「信誠舎」(分教場)を設置した。

(写真・文 柏原林造)

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