ふるさとの史跡をたずねて【418】伝六⑱観音経

伝六⑱来世往生

これまでの話を整理すると、観音菩薩の生まれ代わりだと称した伝六は「功過自知録」を広めた。おそらく宗教的情熱をもって。その結果庶民の生活が向上したとすれば、それはまさに観音菩薩の現世ご利益であった。

伝六への尊敬が高まれば、当然庶民は次のご利益を期待するだろう。聡明な伝六が浄土三部経の中の「観無量寿経」に書いてある観音菩薩の役割を知らないはずはない。

すなわち、「その光柔軟にしてあまねく一切を照らし、この宝手をもって、衆生を接引(しょういん)したもう。」(岩波文庫『浄土三部経(下)』63頁=写真

庶民を極楽浄土へ導くというわけである。すなわち観音菩薩の、来世往生の御利益である。

これが白滝山頂上の最高部に阿弥陀三尊像があり、阿弥陀如来の左側に観音菩薩が座しておられることの意味である。このことから白滝山の頂上の石仏群が極楽浄土を表していると解釈できる。

ならば、なぜ五百羅漢と呼ぶのか、ということになる。以前にも書いたように仏教界のお経の中の世界は平等社会ではなく差別社会であって、如来、菩薩、羅漢と区別される。そして庶民に一番近いのが羅漢であるから、羅漢さんになって極楽浄土へ行きましょう、ということになる。

庶民が自ら自分や家族の姿を彫ったのだとしたら、素朴な石仏がたくさん並んでいるのも納得できる。

現世ご利益から来世往生への発展は珍しいことではない。熊野古道の歴史もそうであった。

(写真・文 柏原林造)

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