短編小説ショパンの調べ【15】因島三庄町浜上

船が時折り、淋しそうに汽笛を鳴らしながら進んで行く。

やがて、地蔵鼻岬を回り、静子の生まれ育った浜上(はまじょう)が近づいてくる。桟橋は無いので、波止場から伝馬船を漕いで船頭が沖合に止まっている、連絡船の所まで行き、乗客は伝馬船から連絡船に、乗り移るのである。海が凪いでいる時なら、さほどでもないが、少しでも荒れている時は、海に落ちはしないかと思われる程、渡るのが難しい。

静子は自分の故郷も、見納めかと、ふと波止場の方へ、目をやって驚いた。

英雄が、砂浜から海の中へ腰位まで入って、自分の乗っている船を、見送っている。人目があるから、皆と一緒に見送れなくても、ここでたった一人、人目を偲んで見送ってくれていたのだ。

静子は思わず、英雄の名前を呼びそうになる気持ちを、必死で抑えていた。

松本肇(因島三庄町)

因島三庄町浜上付近の砂浜

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