和製「ガウディの家」から、お預かりしていた、ゼンマイ式掛時計の一つの修理が、完了しました。
あとは、時間をあわせこむだけです。
振り子も修理したので、1日に15分ぐらい狂います。
数日のうちに、日差1分以内にあわせこんで、今週末ぐらいにはお届けしたいナ。
0.6ミリの鋼の板を探していたら、バッチリのがありました。
少し錆びた、取替えタイプの鋸刃です。
黒くなっているのは、焼きなましをして、加工しやすくしたためです。
灯台下暗しで、我が家に、ピッタリの材料が転がっていました。
あちらこちらの、金物店や、ユーホなどをを探し回っていましたが、我が家の廃材の中にありました。
100円ショップのダイヤの工具で、切り出しましょう。
穴を開けて、ケガキ線をいれ、少し大きめにカットします。
昔は糸鋸で切っていましたが、ダイヤモンド工具が、105円で変える時代です。
近代的な工具で、前近代的な掛時計を修理しているとは、感慨深い物があります。
このような修理の技術も、失われていくのでしょう。
大まかな形に切り出し完了。
大まかに切り過ぎたので、修正に時間がかかりそうです。
腕時計の部品と違って、時計屋からすれば、非常に大まかな仕事なので、こちらもダイヤモンド工具で、修正してしまいました。
ヤスリ掛けの技術も消え果たか?
プレスのアールは付けられませんでしたが、大きさと機能は、バッチリ。
歯車に組み込んで完成しました。
ぶつくさ文句を言っていた割には、まあまあの仕上がりです。
焼入れをしようかと思いましたが、そこそこ弾力があるので、このまま使えそうです。
因みに、小さい部品の焼入れをするときは、部品が入るぐらいの鉄・真鍮の容器を作って、その中に部品を入れ、容器ごと焼入れをします。
鉄製の小皿を使うときもあります。
部品だけだと、温度が上がりすぎたり、焼むらが出来てしまいます。
少し強めに焼入れをして、容器に入れて、必要な状態まで、なまして使います。
最初からピタリの焼入れは、なかなかできるものではありません。
急がば回れ、です。