掛時計修理

精工舎の掛時計の歯車を、取り出しました。

黄色線で囲まれた部分の、カナの部分の、鋼鉄線の一本が脱落していました。

拡大すると、こんな感じです。

一応、錆びたり、折れたりした時は、交換できるようになっていますから、修理は可能です。

太さは、0.65㎜の鋼線です。

材料を調べると、ピッタリの物がありません。

そんなときは、太い線を細くしましょう。

0.75㎜のピアノ線があったので、これを削って、磨いて、はめ込んで、カシメてとめました。

何とか使えそうです。

が、ホゾも曲がっています。
写真の一番上の部分です。

こちらの反対側が、曲がっていました。
折れないように、そっと真っ直ぐに直しましょう。 う~ん、出来た。

肝心の、振り子を支える、いたバネが変形しています。

振り子ををつけたまま、掛時計を移動させたのでしょう。
掛時計は、移動させるとき、必ず、振り子をそっとはずしてから、移動させてください。

この板バネが変形すると、まず直りません。

直らなくても、一応動きますが、時間の精度が、ぐっと下がります。

できるだけ修復を図りますが、やはり、完全にはひずみが取れません。

一度焼きなまして、曲がりをなおし、再度、焼入れすればよいのでしょうが、均等に焼きいれするのは難しいので、叩いて直るところまで、直して、あまりに精度が悪く、時間があわないようなら、この部分を修理しなおしましょう。

あとは、ホゾ穴の荒れた部分を、カシメて、開けなおし、洗浄して、組み立てですが、明日にしましょう。

分解する前に、歯車の組み合わせ位置の、あわせマークをつけておくことをお勧めします。(時打ちの歯車の場合です。)

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