ふるさとの史跡をたずねて【390】柏原土廟②(尾道市因島重井町上迫)

忠安祖塚

柏原土廟②(尾道市因島重井町上迫)

柏原土廟に祀られている柏原忠安は因島柏原氏では記録の上で最も古く、永禄12年(1569)に78歳とあるから、因島村上氏が因島を退去した慶長5年(1600)には、当然のその子供たちの代になっていた。

記録では長男が毛利氏に従って長州へ行き萩に住んだとある。これは因島側の記録であるので詳しいことはわからない。

残された者の二人は重井に住み、娘は中庄小林又左衛門に嫁した。

ただ記録だけを見ると、自発的に因島に残ったように見えるが、敗将毛利氏に従えたのは長男のみで、次男以下は捨てられたと思えばよいだろう。これは日本の家族制度では特別なことではないようだ。例えば向島の川尻公園へ行けば、木曽氏の長男は出ていき、残された次男が川尻を干拓して地域の発展に貢献したと書いてある。

その捨てられた次男三男は柏原土廟の西側の谷・上迫(かみざこ)を出て、新天地を目指した。上迫は上坂と書かれているが読みは同じ。

すなわち次男は白滝山の麓、川口へ移った。峰松氏が住んでいたが初めの4代まで分家が無かったから古くから住んでいても多くはなかった。川ノ本柏原氏を名乗る。その川は一町田が干拓された時少し上で南へ人工的に迂回された。

南側に丸本屋村上氏が同じ頃か少し遅れて来る。白滝山南斜面の所有者に柏原姓が多いことから、村上氏が後ではないかと私は思う。

一方、三男は竜王山東麓の和貞に移り医師となった。早い段階で上迫に帰ったのか和貞における屋敷跡は不明である。なお、和貞は友貞と同じように荘園時代の名残を留める。

写真・文 柏原林造

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