ふるさとの史跡をたずねて【300】綱取石(尾道市因島重井町東浜)

綱取石(尾道市因島重井町東浜)

重井郵便局の前(北側)に古い倉庫がある。その向こう、防波堤の手前に綱取石が2本ある。さらに防波堤の向こうには雁木(ガンギ)がある。しかし、ここの雁木は現在ではコンクリート製に改修されている。その改修時に、この綱取石は稀覯品として残されたものであろう。

2つの綱取石は外側に「綱取石」と大きく深く彫られている。内側には、それぞれ小さな文字で薄く何かが書かれているが、全く読めない。

港湾が完成したのが安政4年(1857)で、以来潮風にさらされてきたのであるから仕方がない。かすかに「浦方連中」とか「長百姓」などの文字が見えるので、個人の寄付によって作られたものがあったのかもしれない。

なお、隣にある壊れかけた倉庫について書いておきたい。これとほぼ同様なものが戦後、現在の重井小学校のあるところ一帯にもあり、新制中学校や土生高等学校因北分校の前身である因北青年学校の仮校舎として使われた。さらに興味深いことには、これらは軍用地から移設されたものだとも言われている。

そうであるならば、軍用地関連史跡として、これまで紹介してきた陸軍境石、荷揚場跡、深浦新開堤防、島四国87番、88番とともに、重井郵便局前の倉庫を加えておいてもよいだろう。

写真・文 柏原林造

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