短編小説ユトリロの街【6】恋し岩

福山大学マリンバイオセンターを右に、大浜を通り過ぎ、白滝フラワーラインを登って、途中の駐車場で車を止めた。

細い山道を、五百羅漢を見ながら登っていると、観音堂があり、恋し岩という岩が奉られていた=写真

昔、重井(しげい)の村の青年と娘が恋をした。男は体格もよく、上方へ行って関取になりたいと思っていた。三年たったら迎えに来るから、待っていてくれと娘に言い、上方へ行った。

だが、待ち続けて三年たっても、男は帰って来なかった。悲観した娘は、深浦の浜に身を投げた。それから程なく、遅れて娘を迎えに帰った男は、その事を知り、娘の化身が岩となって現れ、その岩を背負って白滝山へ上げたという。

何と悲恋な事か。麗香は、もし自分がこの村娘だったら、健吾さんを待ち続ける事が、出来るだろうか。もし万一、自分が命を落とす様な事になったら、健吾は、この関取の様に、愛おしんで、くれるだろうかと思った。

松本肇(因島三庄町)

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