短編小説ユトリロの街【2】

中2階にあるロフトから、急いで階下に降りて行くと、受話器をとった。

「佐伯?すぐに来て頂戴、急いでネ」

「ハイ、かしこまりましたお嬢様」

佐伯辰也は、麗香より5才年上なので、今年25歳になる筈だ。

父の氷室剛造が、因島で従業員35人位の小さな造船会社を、一代で築いたお抱え運転手だからといって、5歳も年上なのに、麗香のことをお嬢様という佐伯辰也は、麗香を憎からず思っているのかも知れない。

町の誰からともなく、氷室御殿と呼ばれている300坪を越える自宅からは、車で2、3分位の所にある、この広大な海の見える山荘が、麗香のお気に入りの場所だ。スーツにコートを羽織り、ベルベットのモスグリーンのベレー帽をかぶり、ブーツを履き終えた頃、丁度、車は着いた。

因島市民会館まで、車だと5分もあれば着く筈なのに、日曜の上降り続く雪のせいか、道は混んでいた。7、8分も過ぎただろうか、やっと市民会館に着く事が出来た。芸予文化情報センターの横にある、駐車場もかなりの車が停まっていた。佐伯を一人、車に残して行くのも可哀相なので、麗香は車を降りると佐伯を誘った。

松本肇(因島三庄町)

因島市民会館

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