修行（2）

前回から引き続き、ヨガについてを記すことにしました。
私が所属しているスポーツクラブ主催のヨガイベントに参加したときのことをお話します。

「108回の太陽礼拝をしましょう」

寒い秋の夜空、芝生の上には各々のマット。
前に立つ長髪の50歳くらいの男性、日本のヨガの第一人者の方だ。

太陽礼拝とは、ヨガの代表的な動きのひとつ。太陽への感謝の舞だそうだ。
いくつかのポーズを組み合わせた一連の動作を繰り返す。
繰り返すうちに、身体が自然と動くようになる感覚がとても心地よい。

さて、なぜこの動きを108回やるのか。
ヨガでは、「108」という数には不思議な力があると信じられているそうだ。
また、人間の煩悩は「108」あると言われている。
1つの礼拝ごとに、煩悩が1つずつ浄化されると考えられているのだ。

これらは、あとから知ったこと。実際には何も分からず、ただひたすら動き続けていた。
今の瞬間に心を向けるということを教えてくれた時間だった。

108回の礼拝を終えた後、汗が額をつたっていた。

（青木恵）

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