故郷への手紙【6】海の外へ(2)

海の外へ(2)

ホテルの裏には、「六合国際観光夜市」という夜市がある。戦後のアメリカ統治下の名残りらしい。魚介類やフルーツ、パンやお菓子、麺やご飯の屋台もたくさんあった。その中でも、内蔵類が置かれた生肉の屋台には驚いた。台湾の人は元気で気さくな人が多かった。すぐに声をかけてくる。そして優しい。夕ご飯を食べに来たのに、見るとこ見るとこでお菓子の試食を渡された。美味しかったけど、口の中が甘くてしょうがなかった。でも、元気に「うちのは美味しいよ」という感じで渡されると、ついつい手が伸びてしまう。

屋台を往復して、ようやく夕ご飯に決めたのは小籠包。12個で50元(日本円で200円)。

小籠包を食べながら、ぼんやり人の流れを眺めていると、向かい側に小学校低学年くらいの男の子が座った。熱そうに何かを食べている。

その姿が愛らしくて微笑ましくなり、声をかけてみた。

すると、中国語で話してきたので焦った。一言も聞き取れない。英語で伝えようとしても通じず、きょとんとされる。
万国共通なはずの英語は、見事に出番なし。英語が通じないなら、気合いで伝えて真剣に聞けばどうにかなるんじゃないかと、必死に言葉を聞いたが分かるはずがない。こんな流暢な中国語初めて触れた。大学時代にほんの少し習った中国語では到底無理な次元だ。

この子が一体何を伝えようとしているのか全く分からず、ものすごく歯がゆくなった。それと同時に、あらゆる手段でコミュニケーションをとることを学んだ。

初めて一人で訪れた異国の地では、外国人は私の方。

言葉が通じない孤独感は、人を強くする。

そう思った夜だった。

青木めぐみ

(青木恵)

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