故郷への手紙【14】石の島(4)

石の島(4)

山道を抜けると大きな通りに出た。
「どんな景色が待っているのだろう」
そんな思いが、私の脚をひたすら動かした。

「海岸まで意外と遠いなぁ」
少し弱気になりかけたとき、黒い犬が現れた。
人懐っこい顔と目が合った。
口笛で誘ってみると、こちらに駆けてきた。
私を追い越してスタスタと歩くので、その後を付いて行ってみることに。
ときどき振り向いてこちらを見る。
「この子は、私をどこかに連れて行ってくれるのかも」
そんな気がしてしょうがなかった。
しばらく歩くと、黒い犬はガチャガチャと賑やかなプレハブの建物の中へ姿を消した。
まさかのパチンコ屋さん。島で唯一のパチンコ屋さんだ。
海への近道だった。
その横の道を抜けて、いざ羽伏浦海岸へ。
「ありがとう、ワンちゃん」

海が見えてきた。
広い。ただ広かった。
吸い込まれるような砂浜。
波が白く砂をなぞる。
なめらかで優しく穏やかな音。
サーファーの足跡を辿ってみた。
帰り道は夜だった。
おじさんの言葉の通り、少し無理をして行ってよかった。

青木めぐみ

(青木恵)

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