因島鉄工のベトナム出身技能者3人 全国初の特定技能2号合格

上段左からグエン・フー・タイさん、グエン・ヴァン・チャイさん、ファン・ヴァン・マインさん、矢吹和夫さん。下段左から宮地愛美さんと宮地秀樹社長、矢吹ひとみさん、福島侑さん。因島中庄町ダイニングシマで合格祝いが行われた。

広島県は人材確保が困難になっている県内企業を支援するため、特定技能外国人の円滑な受入や職場定着に必要な環境整備に取り組んでいる。

尾道市因島重井町鉄工団地内に機械工場をもつ因島鉄工株式会社(本社・因島三庄町、代表取締役宮地秀樹)は県が実施する「特定技能外国人受入モデル企業支援事業」に採択され、「造船・舶用工業分野特定技能2号試験(溶接)」を受験したところ、3人のベトナム出身技能者が合格した。全国初である。

来日した実習生は3年間働き、その後5年間働ける特定技能1号の在留資格を取得できる。農業、漁業、建設・介護など12分野がある。特定技能2号とは、今年(2023年)6月閣議決定により11分野に拡大し、在留期間は更新さえすれば永住同様。配偶者・子供との暮らしもできる。この資格を持つ在留外国人は、6月時点で12人いずれも建設分野。

「溶接」部門は今回初めて実施。熟練した技能と複数の作業員を指揮・命令・管理する監督者としての2年以上の実務経験が必要、業務を遂行できる能力と日本語力が求められる。一般社団法人日本海事協会が、日本語能力を確かめる試験の他に溶接作業の実技試験を行なった=写真㊦

この難関を突破して全国初の特定技能2号を獲得したのは、グエン・ヴァン・チャイさん(30歳8年目)、グエン・フー・タイさん(32歳5年目)、ファン・ヴァン・マインさん(34歳9年目)。

因島鉄工では、受け入れた外国人実習生に対して会社あげて日本語指導をしている。宮地愛美さんと矢吹和夫さんの指導により日本語能力検定試験へのチャレンジやスピーチ大会参加など。宮地秀樹社長は「彼らのおかげで会社は助けられている」「彼らの仕事のステップアップにつながるように最大限の支援をしていく」と、今回の合格の喜びを語る。来年には「鉄工」部門が始まる。さらに2号試験合格者が誕生するように力を入れたいという。

3人の技能者は「2号を取ったので5年以上は因鉄(インテツ=因島鉄工株式会社の略称)で働きたい。そのうち妻子を呼び寄せて日本で一緒に暮らしたい。ベトナムの家族に家を建てたい。これから来日する後輩を指導していきたい」と話していた。実習生時代に学んだ日本語を基に、ベトナムに帰国して開いた日本語学校で学んだ青年たちが、いま因鉄で働いている。人材育成と継承がしっかりと根付きつつある。

溶接作業の実施試験の様子

第20回外国人日本語スピーチ大会 因鉄から研修生タイさん出場

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