因島で見た野鳥【112】ホオジロハクセキレイ(?)

ホオジロハクセキレイ(?)

今年10月3日に、因島で初めて写真①のハクセキレイを見た。すでに、本連載【59】で「ハクセキレイ」を紹介したが、このハクセキレイには黒い過眼線(クチバシの根元から目の中心を横切って後頭部に至る線)があり、因島で普通に見るハクセキレイである。今回見た写真①のハクセキレイには過眼線がない。

写真①側面

種は違うが、因島でよく見るセグロセキレイ(本連載【58】)の顔は、下半分が黒い。

日本鳥類目録第7版(日本鳥学会)の種ハクセキレイには、日本の野鳥として7亜種(ニシシベリアハクセキレイ、メンガタハクセキレイ、ネパールハクセキレイ、シベリアハクセキレイ、タイワンハクセキレイ、ハクセキレイ、ホオジロハクセキレイ)が掲載されている。本連載【59】で紹介したハクセキレイは亜種ハクセキレイのことである。

鳥類学者・中村一恵の論文(神奈川県立博物館研究報告(自然科学)(42):71-90、2013他)などを参照すると、上記7亜種で、過眼線がないのは、ニシシベリアハクセキレイ、シベリアハクセキレイとホオジロハクセキレイである。鳥類目録にはないが、過眼線がないハクセキレイが、さらに、ヨーロッパ大陸とその周辺に少なくとも2亜種が生息している。結局のところ、過眼線がないことだけでは、亜種を特定できない。羽の一部が白変することもあるので、特定は一層困難になる。このような背景があるが、ホオジロハクセキレイの分布の中心地は中国地方と九州北西部(中村一恵)で、他の亜種の分布は日本から離れた地域なので、ここでは暫定的に、写真のハクセキレイを「因島で見た野鳥」のリストに、「ホオジロハクセキレイ(?)」として登録する。

図鑑で、ホオジロハクセキレイの背は黒いとしている例もあるが、これは成鳥の夏羽のことで、今回観測したハクセキレイは、顔がやや黄色がかっており、幼鳥と考えられることから、背が灰色であっても、ホオジロハクセキレイとすることに矛盾は無い。もちろん、迷鳥として来た他の亜種の可能性も否定はできない。

読者に検討して頂く際の参考のため、別の角度から撮影した同一個体の写真②③も示す。(10月16日・記)

写真・文 松浦興一

因島で見た野鳥【59】ハクセキレイ

因島で見た野鳥【58】セグロセキレイ

 

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