因島文学散歩【20】千守城跡付近(因島三庄町千守)

千守城跡付近(因島三庄町千守)

三ノ庄町の私の下宿してゐた土井医院の裏山は和寇の本城である。頂上の館の跡と思はれる平坦な空地には、今は庵寺のやうな家が建つてゐる。井伏鱒二全集5、153頁

これまでに何度も本紙で紹介されたし、私自身も書いたように福山市出身の作家井伏鱒二は若い頃、半年ほど三庄町の土井医院に滞在した。だから、その土井医院の周辺を散歩してみようというのが、今回のテーマ。

土生町から変電所の隣の切り通しを通って三庄町へ入る。まっすぐ降りると海で、普通の車では直進はできない。右へ道なりに進めば家老渡のフェリーで弓削島へ行ける。左へ行けば水軍スカイラインで椋浦町方面へ続く。

しかし、この道は井伏さんがいた頃はまだ無かった。一つ手前の道を北に向かって歩くと、右手にほどなく土井医院がある。以前には「海草の館」の看板があった=写真=が、今は「元」土井医院の看板に変わっている。ただし注意してみないと消えかけて読めない。近くには千守城跡への登山口がある。登ってもよいし、登らないで、まっすぐ行くと駐車場に出る。そこから海沿いの道を元の三叉路まで歩こう。井伏さんが自分の部屋から毎日眺めた百貫島が見える。

因島文学散歩の会は、井伏作品のうち因島関連のものを読む会として発足した。参加者が順に1ページ読むごとに雑談をしている。『鞆ノ津茶会記』を終え、『ジョン万次郎漂流記』に入ったところで、コロナ禍のため休会している。因島図書館は使用可能になったが、慎重を期して7月から再開したい。(おわり)

(文・写真 因島文学散歩の会・柏原林造)

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