ふるさとの史跡をたずねて【101】大土生宮地家跡(因島土生町郷区)

大土生宮地家跡(因島土生町郷区)

変電所近くの小丸城跡が因島村上氏第二家老稲井氏の居城で、麓の宝地谷に宝持寺と須佐神社があった。今は石塔群と神社がある。そこよりさらに西へ下がったところに稲井氏の屋敷があった。

因島南中学校の東側上の辺りである。因島南中学校のあるところは因島高校のあったところである。その東の高いところに図書館があった。窓の外にはみかん畑があって奥へ行くにつれて少しずつ高くなっているようだった。今はグランドの端の校地と境界をなす辺りには駐車場があり見晴らしはよい。しかし、どの辺りにかつて図書館があったのかは、私にはわからない。

その駐車場の少し上の方に稲井屋敷があった。すなわち第二家老稲井氏はこの辺りを中心に活躍した。のみならず中国貿易で得た莫大な利益で因島村上氏を支えたのであった。

しかし、因島村上氏の因島退去とともに、稲井氏も因島を去る。稲井本家は六代吉充に従い長門国矢田間(現下関市)へ。一部の者は広島へと。関東で新田義貞とともに蜂起して鎌倉幕府を倒した脇屋義助は南朝の重鎮として戦い、その子は敗退して伊予大島へ逃れた。そこで稲井と氏を改め、村上氏に従い因島に来て225年。

稲井氏の流浪はまだまだ続くのであるが、話を稲井屋敷に戻すと、江戸時代には庄屋宮地氏が住んだ。大土生宮地家と呼ばれているから、稲井氏の広大な支配地を引きついだと想像しても大きく違うことはあるまい。今は別の方の所有になっているが、基礎の石組みは稲井氏の時代のものだと言われている。

(写真・文 柏原林造)

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