尾道地区保護司会「社会を明るくする運動」入選作文【16】自分にかかっている

尾道地区保護司会(小川曉徳会長)が行った第66回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

「自分にかかっている」

浦崎中学校3年 檀上葵咲さん

世の中にはあらゆる犯罪があります。殺人罪、傷害罪、窃盗罪、薬物使用、器物破損など、まだまだたくさんの種類があります。それは悪意があって行なうのと、それが犯罪だと知らずに行なうのとでは罪の重さが違うとされています。双方の違いは何か、それはきっと罪を犯した本人の人格だと思います。何も知らずに行なったのならそれが犯罪だったということを本人に話せば反省し、繰り返そうとはしないでしょう。しかし、自分の行いを犯罪だと知っていながら実行した人に、それが犯罪だと注意したところでこれから先、また犯罪を繰り返す可能性は十分に有り得ると思います。だからどんな罪でも警察が話を聞き、裁判所が話を聞き、処罰の内容を決めると思います。

犯罪を犯し、有罪だと言われた人は何らかの処罰を受けます。一番かるいもので罰金、一番重いものが死刑です。どうして処罰が存在するのでしょうか。それにはいろいろな理由があると思います。罰が嫌だから罪を犯さないようにしようと思わせるため、犯罪者を更正させるためになどです。そういった理由で犯罪者は処罰され、刑務所に収容される場合もあります。刑務所に収容されると囚人となって、更正して社会でくらしていけるように、自分と同じ犯罪者と制限された共同生活を過ごします。そして服役期間が終わると刑務所の外に出てきて、私達と同じように一般社会で生活します。暗い刑務所を出て、家族のもとに戻り晴れて明るい生活を送れます。でも大変なのはきっとここからなのです。

もし今まで普通に会話をしたり、一緒に時間を過ごしたりしていた人に前科があるとわかったら明日から今までのようにその人に接することができるでしょうか。ちょっと避けてしまう、あるいはその人との関係を絶つという人が多いのではないでしょうか。どうして避けてしまったり、関係を絶ちたくなるのでしょうか。言わずもがな、その人が自分にまた同じことをするのではないかと思い、怖いからでしょう。その気持はよくわかります。昔あの人は窃盗をはたらいていたと言われれば、自分も何か盗まれるのではないかと不安になるのが人間の性なのかもしれません。その人が罪を繰り返さないという保証はどこにもないのですから。でも逆に考えてみるとその人が罪を繰り返すという保証もどこにもありません。どう考えることができるかは自分がその人のことをどれだけ信頼しているかによって変わってくると思います。その人に前科があったとわかってもそれまで積み上げてきたその人への信頼を零にすることなく、少し信じてみてもいいのではないでしょうか。

前科者になったつもりで考えてみて下さい。自分は昔詐欺をはたらいてしまい、逮捕された。刑務所に服役していたが少し前に出所し、普通の生活を送っている。友達も出来て幸せだったのに、どうやら自分の前科がばれ、避けられているようだ。今まで皆と普通に接していたのに前科があると知れた途端に一人になってしまった。この時点でどう思うでしょうか。わたしならふさぎこんでしまうでしょう。こうしてふさぎこんだり心がすさんでしまうとその方が犯罪を繰り返すきっかけになると思いませんか。自分が避けてしまったその人がまた罪を犯してしまうかどうかは実は自分にかかっているのかもしれません。もしこれから先、身近な人に前科があるとわかってもその人のために、その人を信じて接してみてはどうでしょうか。

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