尾道地区保護司会「社会を明るくする運動」入選作文【9】「声かけ」
尾道地区保護司会(楢原幸伸会長)が行った第64回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。
「声かけ」
長江中学校二年 住田桃子さん
夏休みの出来事です。私と弟と母の三人でコンビニへ行きました。すると、お店のお客さんの中に怪しい感じの男の人がいました。母は、
「絶対に近づいたらいけないよ。」
と私と弟に言いました。レジに行ってお金を払っていると、母は初めて会った店員のお姉さんに、
「大丈夫?」
と声をかけました。店員のお姉さんは、
「中に店長がいるので、大丈夫です。ありがとうございます。」
と微笑みながら言いました。お店を出て、私は母に、
「なんで、話しかけたの?」
と聞いたところ、母は
「店員のお姉さんも怖がっていたでしょ。お店の中で怪しい人と二人きりになったら、怖いだろうから。」
と言いました。
そこのコンビニに行ったのは初めてで、それもまったく知らない店員のお姉さんによく声をかけられるなあと、感心しました。店員さんも母が声をかけた時に、嬉しそうにしていたのが印象的でした。
他人ごとではなく、自分の身に起きたことのように考えないといけないし、ちょっとした気遣いで、相手も喜ぶのだということが分りました。
最近では、地球温暖化が進み、異常気象から集中豪雨が多発しています。広島県でも、集中豪雨による土砂崩れで大変な被害がありました。
その時のニュースで流れていたように、近所付き合いがないと「何人行方不明」「この辺りには何軒あった」というのは、わからないはずです。
そんな時のためにも、日頃から近所の方のことを知っていないといけないなあと思いました。それは、特にもしも避難が必要になったときのためです。
あの家にはお年寄りの方がいたなあ、ひとりでは避難ができないかもしれないと声かけが必要になるからです。何かあった時に声をかけ合い、お互いに思いやることが一番大切になるからです。
近所の方のことをよく知るためには、やはり登下校の挨拶をすることがまず第一歩だと思います。
私は、自分から挨拶するというのがなかなかできません。「おはよう」や「いってらっしゃい」と声をかけられると、私もしますが、自分からはなんだか照れくさくて、目を逸らしてしまいます。
たった一言なのでこれからは、自分から声をかけてみようと思います。その一言で、繋がりができ、大事な時には役に立つのだと思います。
いずれは、母のように、まったく見ず知らずの方にも、困っていることがあれば、自分から声をかけられるようになりたいと思います。
そんなことを、みんながすれば、きっとみんなが明るく過ごせる社会になるのではないかと思うので、私も小さな一歩を踏み出そうと思います。
住田桃子さん
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