「社会を明るくする運動」入選作文【14】真実の声を聞く力

尾道地区保護司会(木村修二会長)が行った第73回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

真実の声を聞く力(中学校の部 尾道市入選作品)

長江中学校3年 本村愛音さん

「あなたは、真実の声に耳を傾けることが出来ていますか?」

私のお母さんの仕事のお客様で、昔保護司の活動をやっておられる方がいました。保護司の活動は、非行に手を染めた子供達に対して、職場の人間関係や、日頃の生活で困っていることはないか相談に乗ってあげたり、会社で困っていることがあれば、出向いて行って、働きやすくなるように話しをつけに行ってあげたりと、子供達に寄り添い見守り続けるという大変なお仕事です。

子供達が安心して話しが出来るように、その方は家庭の雰囲気を感じ取れるよう自分の家に連れて来て話しをするそうです。最初子供達は、落ち着かない様子で恐い顔をして口もきいてくれないそうですが、お菓子を食べながらたわいもない話しを重ねていく内に、自分の敵ではないと判断すると心を開いて話しをしてくれるようになるそうです。

その方にお会いした時お母さんは、「非行に手を染めた子供達を家の中へ入れるのは、恐くはなかったですか?万が一、自分の子供に何かされたらどうしようと不安に思ったことはありませんか?」

と尋ねたことがあるそうです。けれどその方は、「恐いと思ったことはありません。話しをしたら、悪い子は一人もいませんでした。みんな普通の子達です。」と答えたそうです。話しを聞くと子供達は親から虐待を受けたり大人にあらぬ疑いをかけられ酷く心を傷つけて、非行に手を染めてしまうそうです。その話しを聞いた時、私にも昔思い当たる出来事がありました。私が幼稚園だった時、仲の良い女の子と積み木で遊んでいました。けれど立ち上がった拍子に私の手が当たってしまい、その女の子の積み木を倒してしまいました。その女の子はすぐ様先生に伝えに行き、いきさつも聞かれないまま私は謝りなさいと言われ、怒られたことがありました。私が落ち込んでいると、大好きな先生が来てくれて、何があったのか私の話しを聞いてくれました。その先生は、いつも子供達の面倒をよく見てくれている先生だったので、その女の子が日頃からよく嘘を付くことも知っていたし、私が人の物をわざと壊すような子ではないことも分かってくれていて、何があったのか最初から見抜いているようでした。先生はその女の子に謝るように言ってくれて、仲直りをさせてくれました。

もしあの時、先生が私の話しを聞いてくれずに、あらぬ疑いをかけられたまま日々を過ごしていたら、私の心の傷はどうなっていたのだろう。非行とは意外と身近な所に存在していて、人ごとではないのだと思いました。非行に手を染めた子供達も、信頼出来る大人が一人でも居てくれていたら何かが変わっていたのではないでしょうか。私もあの先生のように人の声に耳を傾けることが出来、人の真実の声を聞く事の出来る人になりたいです。

第73回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテスト 表彰者の皆さん

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