「社会を明るくする運動」入選作文【10】その言動、よく考えて

尾道地区保護司会(村上俊昭会長)が行った第71回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

その言動、よく考えて(中学校の部 尾道地区保護司会会長賞)

長江中学校3年 島村由芽さん

コロナ禍、色々な事を制限され、今までとは全く違う生活スタイルを世界中の人達が強いられている。それにより、みんながストレスを溜め、イライラしている。

私も、去年からの色々な学校行事が中止や延期になり、今年も体育大会もなく、予定されている修学旅行も本当にあるのかなと思っていた六月、テレビのニュースで、ある死刑囚の家族が自殺を図ったと放送されていた。

私はとても驚いた。小学六年生の時に書いた「社会を明るくする運動」の作文で触れた、ある事件の死刑囚の家族だったからだ。そして、死刑囚の家族だという事がすぐに分かり、報道された事にも驚いた。

なぜ、家族構成や過去の経歴まですぐに公になるのだろうか。

これは、小学生の時に私がネットニュースで読んだ記事だが、それにはこう書かれていた。

自殺を図った人の兄は、児童養護施設でひどいいじめに遭っていた。顔を殴れば施設の職員にバレるからと体を狙われ、学校の給食のカレーに乾燥材を入れられて気付かずに食べて吐いた事もあるそうだ。

「カエルの子はカエル。」

児童養護施設で言われたひどい言葉だ。

何か犯罪を起こせば、「死刑囚の息子だから。」と後ろ指を指されると、道を踏み外さないように生きてきたそうだ。

この妹にどんな辛い事があったのかは分からないけれど、兄同様、人にはとても言えないような事があったのだろうと思う。

インターネットで「加害者家族」と、文字を入力すると、嫌がらせ、いじめ、地獄、辛い等、ネガティブな言葉が連なる。一つ選んで検索すると、想像を絶する困難を強いられていると書かれていた。

誰かに相談しようにも、話せばまた事件の事が噂される。負のループは永遠に続くのだ。

地域住民や、知らない人達から好奇の目やバッシング等に耐えられなくなり、自殺を考えてしまうまで追い詰められてしまうのだと思う。

犯罪は、どんな理由であれ絶対に許される事ではない。だからと言ってその家族までバッシングするのは絶対にいけない事だ。

犯罪加害者家族の生活変化のアンケートがあり、そこには自殺を考える、外出困難、結婚破断、進学や就職を諦める、楽しい事や笑う事に罪悪感を抱く等、本当に辛い内容しか書かれていなかった。

情報社会の現代では、検索すると知りたい情報をすぐに調べる事ができるのが便利な半面、何か事件が起きると、加害者や加害者家族の住所や勤務先、学校名等もすぐに検索できてしまう。それが間違った情報でもすぐに広まるのが、インターネットの恐ろしさだ。

私も、自分に関する噂話を良くも悪くも耳にするが、私自身、絶対に人の悪口は言わないと決めている。悪口は言った分だけ自分に絶対返ってくる。もちろん良い言動もだが、ならば良い言動を行った方が良いと、いつも両親が話してくれる。

インターネットは、情報を得たり、世界中の人と交流を深めたりするのにはとても便利であり、今や必要不可欠なツールであるが、悪意のある言葉や、不用意な発言が人の命を奪ってしまう危険なツールにもなり得る。

自分の指が入力した言葉で人を傷つけ、命を奪ってしまうまで追い詰めるかもしれないという事を常に意識しながら、一度考えて書き込むべきである。差別のない社会になっていくように私を含め、インターネットを扱う一人一人が自分の抱える気持ちやストレスをコントロールするよう、気をつけなければならない。

第71回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテスト 表彰者の皆さん

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