故郷への手紙【74】島ごとぽるの展②ポートピアはぶ
「島ごとぽるの展」。今年9月にメジャーデビュー25周年を迎える因島出身ロックバンド「ポルノグラフィティ」が、地元因島をまるごとイベント会場にした企画。故郷への恩返し、新たな価値創造や地域の活性化という目的がある。私はその情報をインスタグラムで知り、4月からウキウキしていた。この夏は必ず刺激的で最高になると確信した。お盆の時期に帰省するのは何年振りだろうか。2泊3日の弾丸帰省。8月13日は、朝から母の運転で「島ごとぽるの展」やポルノグラフィティゆかりの場所を巡ることにした。…(青木恵)
島ごとぽるの展② ポートピアはぶ


折古の浜の次は、「ポートピアはぶ」へ。
「神田(じんでん)を通りたい」と、私は母がハンドルを切ろうとした方向とは逆をリクエストした。見たい景色がたくさんあるからだった。幼い記憶の因島三庄町7区神田、自分自身の思い出も巡りながら、車は狭いバス通りへと向かう。
そのバス通り、三庄町と土生町の間にある日立造船の横を通る道が大好きだ。子供の頃、バスに乗るときだけ見える造船所の景色が楽しみだった。伸び伸びと首を伸ばすクレーン、悠々とドックの中で過ごす巨大な船、その姿を目を輝かせながら覗いていた。
「土生町から折古の浜に行くとき通ったんだろうなぁ」と、土生町出身の晴一さんを思うと、学生時代を共にした友人を思い出しているような心地になった。
ポートピアはぶには「ぽるの思い出写真館」と題したデビュー25周年の軌跡が写真として展示されていた。私たちが小学5年生のときデビューしたポルノグラフィティ。その頃の写真がとても懐かしく、『アポロ』や『ヒトリノ夜』の替え歌をして教室ではしゃいでいた日々を思い出した。
たくさんの寄せ書きの幕が、見渡す壁に敷き詰められており、ポルノグラフィティへの思いが360度溢れていた。愛されている姿を目の当たりにした瞬間だった。ポートピアはぶの入り口に大きな写真が飾られていた。2018年に因島市民会館で撮られたポルノグラフィティとはっさくんだ。
真剣に配置を考えながら撮影している私の背後にポルノファンがいることに気付き、話しかけてみると福岡から来たとのこと。こにこと話してくれたことが嬉しく、「近くにラッピングバス=写真㊦=が停まっているので、行ってみてください。まだいると思います」と伝えた。「ありがとうございます」と言い駆け出す姿を眺めながら胸があたたかくなった。因島をたくさん楽しんで味わってほしいなと思いながら、その背中を見送った。
【筆者紹介】青木恵。東京都在住。スポーツクラブインストラクター。因島椋浦町出身。三庄小・中学校、因島高校、尾道大学卒。高校時代、因島市が尾道市に編入合併する際にポルノグラフィティが因島市内の全ての小中高生を招いた無料コンサートに参加した。故郷因島には父母がいる。弟は神奈川県在住。
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