故郷への手紙【75】島ごとぽるの展③ミツイシヤ
「島ごとぽるの展」。今年9月にメジャーデビュー25周年を迎える因島出身ロックバンド「ポルノグラフィティ」が、地元因島をまるごとイベント会場にした企画。故郷への恩返し、新たな価値創造や地域の活性化という目的がある。私はその情報をインスタグラムで知り、4月からウキウキしていた。この夏は必ず刺激的で最高になると確信した。お盆の時期に帰省するのは何年振りだろうか。2泊3日の弾丸帰省。8月13日は、朝から母の運転で「島ごとぽるの展」やポルノグラフィティゆかりの場所を巡ることにした。…(青木恵)
島ごとぽるの展③ ミツイシヤ
ポートピアはぶ(因島土生町尾道市営駐車場)を後に、因島田熊町にあるミツイシヤへ。「島ごとぽるの展」のために復活した因島唯一だったミュージックショップだ。
この知らせは私にとっても衝撃的で感動的だった。お店が閉店したと聞いたときは、驚きよりも自然のなりゆきのような納得感があったが、復活となると眩しいくらいのエネルギーを感じた。
ポルノグラフィティと同様に、私にとってもとても思い入れのある大切な場所のミツイシヤ。今回復活して頂きありがとうございます。
お店の扉のポスターはそのままだった。毎日通学で通った道、その横目にポルノグラフィティのポスターがいつもあった。サインとともにこちらに向く視線。その景色が日常で、友達との会話に夢中になり、勉強や部活に汗を流し、まだ知らない世界への希望を秘めていた。その景色に何かの感情を抱くわけでもないまま卒業し因島を離れた。
今はその景色さえも特別に感じる。輝いて見える。
店内には懐かしい陳列棚にポルノグラフィティのすべてのCDとアルバムが。お店の中央には在庫として残っている商品たちが並べられていた。小学生のとき夢中だったSPEEDの下敷き、アイドルのシールや文房具、どれもタイムスリップしたかのように私を夢中にさせた。
初めて買ったポルノグラフィティのアルバム『ロマンチスト・エゴイスト(2000年)』。それもミツイシヤで買ったものだ。このアルバムに収録されている「Jazz up(作詞ハルイチ・作曲シラタマ)」の歌詞が大好きだった。
「土生港から海ぞいの道を 初恋を乗せてペダル踏んでた 乱れた呼吸さとられないように 246から渋谷にぬける今の僕と何が違うの? そう考えると ずいぶん遠くへ来たみたい」
この歌詞は、今も私を奮い立たせてくれる。
(つづく)
昨年(2023年)春に閉店したミツイシヤが島ごとぽるの展限定で復活。連日ファンで賑わった。
【筆者紹介】青木恵。東京都在住。スポーツクラブインストラクター。因島椋浦町出身。三庄小・中学校、因島高校、尾道大学卒。高校時代、因島市が尾道市に編入合併する際にポルノグラフィティが因島市内の全ての小中高生を招いた無料コンサートに参加した。故郷因島には父母がいる。弟は神奈川県在住。
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