故郷への手紙【23】草にすわる
草にすわる
八木重吉という詩人の詩が新聞に載っていた。
わたしのまちがいだった
わたしの まちがいだった
こうして 草にすわれば それがわかる黄緑色の庭と白い木造の建物に、目を奪われた。
ぼんやり眺めたくなる鮮やかな色が、私好みだ。
「まちがい」が、何なのかは分からない。でも、不思議と心に伝わるものがある。
詩人の谷川俊太郎は、この詩にこう続けた。
そんなにも深く自分の間違いが
腑に落ちたことが私にあったか
草に座れないから
まわりはコンクリートしかないから
私は自分の間違いを知ることができない
(以下略)
すっと心の中に入ってくるようだった。
すわって空を眺めたり、海の音を聞いたり、木々の香りを思い切り吸い込んだり、最近してないなぁ。草にすわってないなぁ。
無性に自然に触れたくなるのは、それが私の一部だからだろう。
花や木の香りを知りたくなる。
鮮やかな色たちに目を奪われる。
そういう時間が、私のエネルギーになる。
私の人生に欠かせない、大切なもの。
(青木恵)
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