ふるさとの史跡をたずねて【359】仁王門(尾道市因島重井町白滝山)

仁王門(尾道市因島重井町白滝山)

仁王門の中にある左右の仁王像は白滝山五百羅漢完成後、白滝山石仏工事の中心であった尾道石工太兵衛が製作したもので、伊浜の重井八幡神社に奉納されていた。

それが明治元年に神仏分離によって神社に仁王像はふさわしくないということで、立ち退きを要求された。

それが現在表参道にある仁王像である。現在の姿しか知らない我々はいかにもそれが白滝山頂上付近の石仏群と一体のものであり、ちょうど五百羅漢の入口のような印象を持っているが、その厄介物であった仁王像一対の行き場として苦労されたのであろう。

というのは神仏分離で神社からお寺へ移せばよいようなものであるが、実は重井村唯一の善興寺には同じ作者の仁王像が既に奉納されてあったからである。その結果として、この場所へ移動されたわけである。

この巨大な石造物を重機のない時代にどうやって移動させたか、まず不思議に思われる。そしてまた、なぜこの中途半端な場所が山門になったのかと思うに違いない。

これらのことを知る手がかりは全くないが、傾斜度を考えると、この位置が限度であったのだと思われる。すなわち、ここから五百羅漢が始まるという意味があったわけではなく、現在の位置から我々がそう思っているだけであろう。

さらにまた立派な仁王門が明治42年に完成し、仁王像は風雨の侵食を免れることとなった。現在の仁王門は昭和の初めに改修された2代目であるが、違和感を感じることなく屹立している。

写真・文 柏原林造

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