ふるさとの史跡をたずねて【336】笛之戸庄左衛門頌徳碑(今治市宮窪町江口)

笛之戸庄左衛門頌徳碑(今治市宮窪町江口)

能島への水を供給するための大島側の水場を探していたら、人家が途切れる江口集会所の隣に、大きな頌徳碑があった。その隣の小さな石には「猪之塚」と書いてあるだけである。大きな方は「頌徳碑」と書いてあっても誰の頌徳碑なのか、わからない。地元では「笛之戸庄左衛門頌徳碑」と呼ばれているようだった。

また、その由来は以下のように言われている。

江戸時代に今治の殿様がシカ狩りにやってきた。そのとき、土地の鉄砲撃ちの名人庄左衛門が呼ばれていた。殿様の前で庄左衛門が撃った鉄砲の玉は見事シカの喉首を射た。感心した殿様は庄左衛門に「笛之戸」の苗字を名乗ることを許した…。

村で藩主に誉められる者が出るということは義人などと同様、名誉なことであったから頌徳碑が建てられても不思議ではない。

隣にある「猪之塚」から、シカではなくイノシシではなかったのでは、と言う人もいる。しかしイノシシでは喉笛を撃つということはありえないし、撃たれたイノシシが笛のような声を発したと考えるもの不自然である。やはりシカの喉笛ということにしておこう。

すると隣の「猪之塚」にはどういう意味があるのだろうか。私にはわからない。

何人か四国に見られる「笛野戸」の苗字の人たちは庄左衛門の子孫の方だろう。

写真・文 柏原林造

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