「社会を明るくする運動」入選作文【9】小さな社会 大きな明るさ

尾道地区保護司会(木村修二会長)が行った第72回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

小さな社会 大きな明るさ(中学校の部 広島保護観察所長賞・尾道市長賞)

長江中学校3年 湯浅愛香さん

「犯罪や非行の防止と更生」と聞いて、最初は何一つピンとこなかった。犯罪を犯した人が本当に更生できるのか。なぜ犯罪や非行が起こるのか。そして、社会を明るくするとはどういう事なのか。今まで深く考えた事がなかったからだ。改めて考えてみると、「社会を明るくする」を理解していなかったのは私だと気づいた。そんな経験談を語る。

私は中学校に入学した当時、学校に居心地の悪さを感じ心身共に安定しなかった時期があった。別に、何かが欠けているわけでもないのに。そんなとき目の前のテレビで、犯罪のニュースが流れた。最近の悪いニュースの多さに耐性がつき、あまり気にも止めなかった。そんな私が唯一、気になったニュースがあった。それは子供の非行だ。もしかしたら、その子も私のように心身共に不安定だったのではないか、と。私は少し気になって「非行」について調べてみた。調べると、「機能不全家庭」と言うワードが一番に出てきた。家庭が十分に機能しないことだ。確かに、家庭が機能していないと心は安定しないが、私は別にもっと大事な理由があるのではないかと思った。それは私が居心地が悪いと思った理由でもある。それは周囲の人々ではないか。私自身も、新しい環境に慣れずどうやって友達を作れば良いのか分からなかった。そんな私は、みんなよりほんの少しだけ生活に乗り遅れた気がして居心地が悪く感じたのだと気づいた。例えばの話をしよう。もし裕福で家庭円満だったとする。だが、友達がいない、話に入れて貰えない。どうだろうか。たとえ、家庭が十分に機能していたとしても周囲の環境によっては心の安定などない。自分達が思っている以上に家庭以外の周囲の環境は大切なのだ。そして私自身がその周囲の人のひとりなのだ。
私は、学校で生徒会長をしている。人前に立つのはどちからと言うと苦手だが、私の体験が生かせる、この学校を変えたいと思ったからだ。今年、目標にしている事は「色」を大切にすることだ。「色」とはそれぞれが持つ個性の事だ。

この世の中は数え切れない色で出来ている。同じ人間でもこの社会に生まれてきた人にはそれぞれ意味があると私は考えている。綺麗事に聞こえるのは仕方がないと思う。人には悪い部分だってたくさんある。その悪い部分を取り上げて小さな社会の片隅に追いやりあう人間。そんな偏見さえなくなり、この人にはこんないい所があるんだと言い合える世界になったらどうだろう。たとえ、機能不全家庭だったとしても周囲の人が自分という存在を認めてくれる。それだけで助けられるのではないか。人間には生まれてくる意味がある。その意味を互いに探し合う。それが一番理想の明るい社会なのだと思う。

これはただの綺麗事にすぎない。でも、私は実現すべき姿だと思う。だから私は、中学校という未成年の集まる「小さな明るい社会」を作りたいと思う。

誰もが自分の事で精一杯で生きている。しかし、決してひとりでは生きられない。周りにいるひとりひとりの個性を認め大切にしていく努力を継続していく事で明るい社会を目指せるのではないか。直接的に短時間で犯罪や非行を防げる訳ではないかもしれないが、少しでも明るい社会に近づける事は出来ると思う。私はこれからもこの努力を続けていきたい。

第72回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテスト 表彰者の皆さん

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