ふるさとの史跡をたずねて【320】吉井勇歌碑(今治市伯方町有津)

吉井勇歌碑(今治市伯方町有津)

船折瀬戸の東、矢崎の集会所のところに吉井勇の歌碑がある。地図上ではエンコ石と書いているところだ。ただし、エンコ石と歌碑とは違う。
鵜島から離れると海域が広がり潮流はおだやかになるだろう。二つの半島が直角に交わりその付け根に有津(あろうず)の港がある。

その港町に、吉井勇が昭和12年の夏に3か月ほど滞在した。100以上の作歌があり、その一つである。

「人麿がむかしいゆきし海をゆき うまし伯方の島山を見む」

人麿には伊予の地名を詠み込んだ歌はないが、万葉集3巻303のところに「柿本朝臣人麿、筑紫国に下りし時、海路にて作る歌二首」というのがあるから、瀬戸内海を通ったことだろう。人麿に限らず多くの万葉歌人が瀬戸内海を通った。たとえば、額田王が「熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」と道後温泉近くで詠んだ歌は、単に時刻を待ったというだけではなく、月の形と位置にその土地における潮流が対応しており、船出の時刻を示していることががわかる。「人麿が」と言う五文字で万葉世界を象徴したものであろう。

写真・文 柏原林造

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