ふるさとの史跡をたずねて【157】島四国碑(因島田熊町浄土寺)
島四国碑(因島田熊町浄土寺)
さて、次は大師信仰について考えたい。これは現在も続いていると考えてよいだろうから、時代的には少し後になるが島四国から話を始めるのがわかりやすいだろう。ひところのにぎわいはないものの、島四国八十八ケ所は地域の人たちによって守られており、現在の大師信仰の中心になっている。その島四国は明治の末年に設置されたが、それ以前から大師信仰は広く行われており、また弘法大師伝説も存在する。
弘法大師伝説はその歴史の追跡は簡単ではないが大師信仰は具体例を挙げることができるだろう。
三庄老青会連合会発行の『ふるさと三庄』(昭和59年)には「明治45年(1912)因島重井の大師講連中の発起で島内八十八ケ所に堂宇を設立し、大師入寂の旧3月21日を期して巡拝を始めたのが始まりである」と記されているが、それを具体的に進めたのは田熊の岡野重兵衛氏である。そのことを示すように田熊町浄土寺に島四国八十八ケ所の開設記念碑がある。
その一つに賛助員を書いた碑がある=写真。再下段の右端に重井村として最初に「末廣講中」と記されている。このことは上記引用の「大師講連中」の具体名が末広講だったことを表している。
すなわち「大師講」という言葉は、ある特定の大師講を表す固有名詞の場合と、末広講とか鶴亀講などの名称をもつ大師信仰を基にした講一般を表す場合がある。ここでいう大師信仰は言うまでもなく弘法大師信仰で四国八十八ケ所に関する講である。
その大師講にも四国八十八ケ所巡拝を目的としたものもあれば、そうでないものもある。前者にも、講の全員で参拝する総参講と代表者が参拝する代参講がある。
四国八十八ケ所の巡拝はしないものの、年に一度会食をしておれば、講と考えてよいだろう。これらもかつては参拝はしていたが、現在は年に一度の会食だけというパターンもあって、簡単にパターン分けできないものもある。
(写真・文 柏原林造)
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