ふるさとの史跡をたずねて【314】芸予要塞跡(今治市波止浜町小島)

芸予要塞跡(今治市波止浜町小島)

「東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる」というのは啄木の有名な歌であるが、そんな感傷とは全く無縁な小島は波止浜から出るフェリーに、来島からさらに5分ほど乗ると着く。「こじま」ではなく「おじま」と呼ぶ。

その小島は、一見人が住んでいるのだろうかと思われたが、確かに人が住んでいた。そして感傷ではなく、動と静とが混在していた。

言うまでもなく動というのは速い潮流。いつまでも眺めて飽きない潮流であるけれども、島に滞在する時間は限られているので、未練を振り切って山に入ると、レンガ作りの建物が、まるで時間が停まっているように木立の中に佇んでいる。

明治35年(1902)に旧日本陸軍によって築かれた砲台跡などだ。大久野島にあるものとセットになっていて「芸予要塞」と呼ばれた。明治37年の日露戦争で6門の28㎝榴弾砲が旅順等へ移送されて使われたほかは要塞として一度も使われることなく、大正13年(1924)に廃止されたので、その当時のようすが今に伝わるわけである。発電所跡とか弾薬庫跡、砲台跡、砲座跡、兵舎跡などが点在する。

なお、来島海峡のまっただ中にあるので周辺は激流であるが、地形により流れの穏やかな場所もある。上陸は容易であり、来島村上氏にとっては狭い来島よりも小島の方が生活には適していたと思われる。

写真・文 柏原林造

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