ふるさとの史跡をたずねて【309】村上義弘娘経塚(今治市吉海町田浦)

村上義弘娘経塚(今治市吉海町田浦)

しまなみ海道四国側最後の島である大島は宮窪町と吉海町からなり、名前通り大き島であるが、山も多く地形は複雑である。その複雑な地形をうまく生かして構成される島四国は、歴史も古く文化四年(1807)の創設で「大島准四国霊場」と呼ばれる。

その島四国の86番万福寺(志度寺)と87番随心庵(長尾寺)のほぼ中間あたりに村上義弘の娘の経塚がある。県道49号を北上して、「田ノ浦」のバス停を過ぎるとほどなく県道と随心庵への歩き遍路道とは分かれる。その分岐点の手前である。県道の右手(東・山側)に「経塚村上義弘娘」と書かれた石柱がある。そこから山の方に少し入ると竹薮の中に石塔が見え隠れする。元は道端にあったものが、竹の侵略で藪になったものであろう。そこには三基の五輪塔があった。いくらか文字が書かれているが苔むしていて読めなかった。

本物か、と疑問に思われる方もおられるに違いない。しかし、私はここでその真偽を詮索しようとは思わない。今と違って全ての記録が文字で伝わる時代ではない。多くが口承によるのだから、長い間に誤解や悪意のない創作が加わることもあろう。

荒れていても、島遍路の道草として悪くはない。

写真・文 柏原林造

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