ふるさとの史跡をたずねて【306】善興寺閻魔堂(尾道市因島重井町善興寺)

善興寺閻魔堂(尾道市因島重井町善興寺)

善興寺閻魔堂(尾道市因島重井町善興寺)

信長・家康対浅井・朝倉の姉川の戦い(1570年)は、家康の出世物語や秀吉の主張通り浅井家を直後に殲滅しておけば後の淀夫人も誕生しなかったなどと、サイドストーリーに事欠かない戦国史だが、その姉川というのは長浜の北を琵琶湖に注ぐ川である。その名前の由来が面白い。閻魔大王の姉の竜王が住んでいたという伝説に基づくと言う。

しかし竜王は雨乞いの時にお願いする水の神様で、閻魔大王の眷属(けんぞく)ではないと思う。

ただ、閻魔大王には奪衣婆(だつえば)という妹が三途の川の辺りにいるそうだ。いずれにしても創作説話の世界だから、様々なバリエーションがあるのだろう。

因島重井町善興寺の閻魔堂では前列右端の無冠の女性が奪衣婆ではないかと思われる。

善興寺の閻魔堂は山門を入るとすぐ右側にあり、お参りしたとき、嘘をつくと閻魔様に舌を抜かれると教えられた子供は多い。その舌のない閻魔像は怖かった。しかし、閻魔様だって舌がないのだから、怖くないはずだが…。

インド生まれの閻魔様が中国で道教の服を着せられ、様々な物語を付け加えられて日本にやって来た。異なる風土だから誤解は当然生じる。そこへ新しい物語がさらに加わる。だから、時代によって地域によって宗派によって解釈は異なる。

写真・文 柏原林造

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