因島で見た野鳥【127】ルリビタキ

ルリビタキはスズメ目ヒタキ科の1種で、全長は14cmで、スズメよりわずかに小さい鳥で、筆者は、因島では未だ見たことはなかった。オスでは、体の上面は青色で下面は汚白色、脇は橙黄色、尾羽は青い。

写真①は、大三島の台(うてな)ダムで撮ったルリビタキ・オスである。鳥名は、瑠璃(ルリ)色(紫みのある濃い青)のヒタキの意味であろう。

写真①ルリビタキ・オス 成鳥

メスでは、体の上面がオリーブ褐色で、胸はオリーブ色、脇は橙色、尾に青みがある。生まれて1年目のオス・若鳥は、メスによく似ている。

写真②は、因島の暗い沢で撮った写真である。

写真②ルリビタキ・オス 若鳥

写真が鮮明ではないが、羽衣と大きさよりルリビタキと判断できるので、因島で見た野鳥のリストに、ルリビタキを加える。この個体は、メスの可能性もあるが、やや青みがかっているので、オス・若鳥と考える。日本では、本州中部以北の高い山で繁殖し、冬季に本州中部以南の低地で越冬する。因島では冬鳥である。

多くの動物には、オスとメスの間に体格や色の違いがあり、これを性的二形(型)という。鳥のオスは繁殖可能となると、地味なメスに比べ、派手な羽衣になり、顕著な性的二形を示す種が多い。これは、メスの「選り好み」に適応した、いわゆる、性選択(性的淘汰)の結果とされている。

ルリビタキ・オスの若鳥は、性成熟してもメスに似たオリーブ色の地味な羽衣(写真②)のままで、2歳以上で青色の目立ちやすい羽衣(写真①)となる。すなわち、オスに、羽色がオリーブ色と青色の二型がある。

森本元(Bird Research News Vol.4 No.4,2007)によると、メスはどちらの色のオスも繁殖相手に選ぶ。ルリビタキ・オスの青色は、メスの選り好みに関係ない可能性がある。繁殖地での縄張り争いで、同色オス間では身体的接触に至る熾烈な戦いになるが、異色オス間では身体的接触にまで発展しない場合が多いとのことである。

スズメ目の鳥には、若いオスがメスに似た羽衣をする種が多いが、”メスの振りをして”、オスの攻撃を逃れるという”女形仮説”がある(上田:鳥はなぜ集まる、東京化学同人)。この場合には、若いオスは繁殖に参加しない。ルリビタキでは、オリーブ色の鳥も、しっかりと、繁殖に参加する(森本:前出)。自然界の多様性には驚く。

余談だが、宝石の瑠璃をラピスラズリともいい、平山郁夫画伯の青を基調とした作品によく使われた顔料の一つは、ラピスラズリの粉末といわれている。

文・写真 松浦興一

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