ふるさとの史跡をたずねて【246】電燈寄付票碑(尾道市因島中庄町徳永)
電燈寄付票碑(尾道市因島中庄町徳永)
前回の入川橋寄付碑のさらに右側(北側)に「電燈寄付票」と書かれた石碑がある=写真㊧。
表面には寄付額に応じて三段に分かれて氏名が書かれている。上段が金40円から20円で金額と氏名。中段が「金拾円宛」の氏名、下段が「金五円宛」の氏名である。
左面(南面)に「大正十年七月寄付 電燈建設及基金積立」とあるから電気事業が始まった頃のものである=写真㊨。
『因島市史』等によると、大正4年6月因島電気株式会社が創立されて、田熊町の扇屋新開に発電所が置かれた。はじめは30(月)の発電機で田熊、三庄、土生長崎から供給が開始され、その後発電機を増設し、大正5年頃に中庄、重井と各村へ拡張された。
石碑との年代のズレはどう解釈したらよいのだろうか。単純に考えると、中庄村への給電の拡張には地元負担が要求され、大正10年7月頃から中庄村の大部分で電燈の使用が可能となった。そしてそれ以前には、ごく一部で中庄村でも使用が可能だったということだろうか。
写真・文 柏原林造
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