ふるさとの史跡をたずねて【237】河野静夫翁顕彰碑(因島大浜町斎島神社)

河野静夫翁顕彰碑(因島大浜町斎島神社)

島四国3番金泉寺からは少し戻って、倉谷神社から南へ伸びる道をゆっくり歩こう。大浜町の町の美しさは家の美しさにある。いつの頃からか「大浜は家に、中庄は庭木に、重井は服にお金をかける」と言われているが、大浜町を歩くとなるほどと思う。が、重井町についてはどうだろうか。畑着と普段着とよそ行き着があって、滅多に着ないよそ行き着はいつも新しく、お金をかけているように見えただけだと思う。そんなことを考えながら家を見ながら歩いていると斎島神社の前に着いた。今回は河野静夫先生の顕彰碑を見ていこう。

斎島神社の石段を上がる。鳥居の手前で右側、鳥居の隣の一段上がったところを見て欲しい。玉垣で囲まれた石碑があるだろう。これである。南面には小さな文字でびっしりと書かれているのだが、緑青(ろくしょう)に似た色の苔やそれが枯れたのか黄色のものなどが文字を覆ってほとんど読めない。一番右側の「仙洲河野翁碑」というのがこの石碑のタイトルである。

河野静夫翁は医業の傍ら、明治7年から家塾を開き若者たちを指導した。また明治22年には私費で立生館を建てた。これは漢学を主とし、教師兼校長として水戸の宮田裕太郎、後任に兵庫県から尾野字一郎を招いた。月白米1俵は中庄村地蔵鼻にあった所有地産米を当てた。生徒は地元因島のほか、山口県、佐賀県、高知県、茨城県などから来て、40名に達した。明治35年8月1日静夫翁没後、同年末尾野字一郎氏の子息も亡くなり閉校した。

その他の静夫翁の顕著な仕事として、「若連中誓約書」「村定約」などを定めたことがある。また、公共事業にも積極的に関わり私財で道路や橋を改修された。

写真・文 柏原林造

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