ふるさとの史跡をたずねて【199】お台場跡(因島大浜町剛女岩)

江戸時代のものを全て紹介したわけではないが、大雑把な傾向を、そろそろ明治以降のものに変えようと思う。それで江戸時代を締めくくるのに何が良いだろうかと考えたら、お台場が時代の変化を象徴しているように思うので紹介したい。

侍は今風に言えば軍人である。その軍人が同時に官僚でもあったのだから、江戸時代は不思議な時代だった。さらに不思議なことにそういう軍事政権でありながら、初期の島原の乱や両度の大坂御陣を除くと平和な時代が200年以上も続いたのだから、喜んでばかりはいられない。第二次世界大戦が終わって100年も経っていないのに、平和ボケが蔓延しているわけだから、江戸時代の平和は退屈を通りこして弊害となっていたことであろう。これは全徳川時代を通して言えることで、例えば暇をもてあました実戦経験のない兵法家が、水軍戦法なるものを残しており、小説や祭りの素材を提供してくれているのは愉快だが、私は信じないことにしている。末期の例をあげれば、新撰組という機動隊を京都に駐屯させておかなければならなかったということは、侍官僚たちにはチャンバラはできなかったということだろう。ならば刀など持たねば良いのにと思うがそうはいかないのだ。お城へ出勤するのに、今日は腰が痛いので大刀は置いて行こうというようなことは許されない。武士にも細かい身分があり、身分とTPOに応じて刀と衣服は厳格に規定されていた。

こういう時代に大慌てで軍備拡張を図ったとしても、おのずから限界がある。砲台ができても操作できる人がいかほど集められたか。成功談も失敗談も残されていないようだから、おそらく使われなかったのだろう。「大浜村御砲台并勤番所」の文字のある祈願札の写真が『因島市史』591頁に載っている。文久3年8月であるから1863年で、明治になる5年前である。

お台場と言えば東京の人気スポットであるが、こちらのお台場はマムシの巣窟となり、人も近寄れない。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」「君子危うきに近寄らず」という2つの格言を天秤に掛け、後者を選んだ。

写真は見る角度によっては心霊写真のように人の形が見えるかもしれない。古い写真を修正した名残です。ご安心ください。

(写真・文 柏原林造)

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