ふるさとの史跡をたずねて【182】天狗山(因島中庄町)

天狗山(因島中庄町)

因島中庄町の天狗山は中庄のお宮、すなわち熊箇原八幡神社の裏山であるが、青影山があまりにも有名で、そちらばかり話題になるせいか、知名度が低い。

しかし高さで言えば、青影山276メートルよりも少し高く291メートルである。因島最高峰の奥山(観音山)391メートル、風呂山301メートルに次ぐ高さである。そして、その名前が示すように修験道に関係があったことは間違いなかろう。

神社の裏手に登山道らしきものはあったが、潅木に覆われて消えかけている。北面の尾根を登ったが、斜面は樹木がなければかなりの急勾配で修行の地であったと言ってもおかしくはない。

頂上には、三角点、明治34年3月の寄付石、それに神武天皇遥拝所(じんむてんのうようはいじょ)の石碑があった。石碑は台石から落ち倒れていた。せっかく登ってきたのだから元に戻そうと三人で努力したが、重くて台石の上に載せることはできなかった。せめて起こしておこうということで、写真のようにして下山した。現在は元に服しているかもしれない。

神武天皇を遥かに拝むということは、奈良県の橿原神社の方を向いて拝むということである。熊箇原八幡神社の祖である従五位下隠島神社が紀州熊野神社の熊野大権現を祀るから神武天皇と特別な関係があるが故の遥拝所か、あるいは時代の流行故の遥拝所であるかは私は知らないが、ここで神武建国神話を思い出しておくのも無駄ではないと思う。

神武天皇は熊野から3本足の八咫烏(やたがらす)に導かれて大和に入り畝傍の橿原宮で即位した。紀元前660年の元旦で、太陽暦に直すと2月11日で、戦前の紀元節、現在の建国記念日となる。

なお余談ながら、私の姓と橿原神社は同音であるが関係はないと思っていた。ところが、旅の途次寄った信州の家紋工房で、「家紋のことなら何でも聞いてください」とあったので、こちらの名前は言わず、「丸に抱き柏です」と言うと、「奈良の橿原神社で食事を司っていた人たちの間で使われていた家紋です」との返答には驚いた。

(写真・文 柏原林造)

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