「外国人労働者が必要」という企業の本音を配慮した議論が不可欠に

掲載号 07年12月01日号

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 30年ぶりの造船産業の復活に生気を取り戻した因島。朝の通勤ラッシュの自転車部隊を「あれが、これからの造船産業の一翼をになう外人部隊です」と、某会社の幹部は呟く。

 1980年代半ばの造船不況以降、新規雇用を押え続け、そこに予想外の造船活況の波が押し寄せた。即戦力となる人材確保は無理な話。若い日本人は現場をいやがり、採用してもすぐ辞める。

 背に腹は代えられぬと手を差し延べたのが外国人研修・実習生だった。1年目は研修生として座学や実技研修。2、3年目は技能実習生として雇用契約を結ぶ。

 事実上人手不足を補う労働力として注目されてきたが「人材派遣労働者」の違反に当たるケースも出て研修内容や賃金トラブルも相次ぐ。ちなみに広島県の2006年受け入れ数は6593人。そのうち因島は約700人。

 研修・実習生を「労働力」として頼らざるを得ない背景もあるが監督体制は不十分。「外国人労働者が必要」という企業の本音を配慮した議論が不可欠になってきている。

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