尾道地区保護司会「社会を明るくする運動」入選作文【16】「今は無理だとしても、いつか必ず…」

尾道地区保護司会(楢原幸伸会長)が行った第64回「社会を明るくする運動」作文・標語コンテストで表彰された作文を掲載する。

今は無理だとしても、いつか必ず…

高西中学校三年 川ノ上京華さん

川ノ上京華さん

私の将来の夢は、児童擁護施設で働く職員になることです。

実際に私の周りには、児童養護施設のような所で働いている人はいないし、どのような仕事をしているのか、全くと言って良いほど分らないことばかりだけれど、この仕事を通じて、たくさんの子どもたちを支えたいと考えています。

今、日本は少子高齢化という現実に直面していますが、親や親族からの暴行や暴言など、いわゆる虐待と呼ばれる行動で、今、この瞬間も多くの子どもたちが苦しんでいます。

さらには、悲しい事件などにより、命を落としている可能性も十分にあり、たくさんの子どもが自分の親に被害を加えられているということも事実です。

私は先日、テレビのニュース番組で、もし生きていたなら、私たちより少し年下の男の子が実の父親からの虐待で、六・七年前に亡くなっていたという話を耳にしました。

その子の父親は、逮捕された際に、亡くなった男の子に対して謝るということはなかったそうです。一言でも謝ってもらえることで、その子もどれほど報われたことでしょう。

子どもは、どれほど親に傷つけられようと、親に必要とされたい、見捨てられたくないという一心で「いい子」であろうとします。そして、自分の本当の感情を殺してまでも、親に気に入られようと努力します。

私は、きっとその亡くなった子も、父親と母親の離婚を一番近くで見ていて、その後、父親、母親のどちらに引き取られても、(結果的には父親に引き取られましたが)自分を見捨てられたくないので、どれほど暴行を加えられても、暴言をいわれても、いつか、自分を必要としてくれる日を夢見て、ずっと、耐えていたのだと思います。

私は、親から暴言や暴行を受けたことはありません。しかし、もしこの子のような家庭に生まれていて、毎日のように暴行を受けていても、やはり何も言わずに痛みに耐えているでしょう。

いつか自分は、親に必要とされるのではないか、親が自分を愛してくれているから、暴行を加えているのではないか、親が暴行を加えるのは、自分がダメだからではないか…など、結果はどうであれ、親に必要とされる人でありたいと思うはずです。

親の一方的な理由で、子ども達を傷つけていることは、人権の侵害だと言われています。子どもも当然ですが一人の人間です。

親に暴力をふるわれるために生まれて来たのではありません。人は皆、誰かに必要とされるために生まれています。

例えば、友達、両親、または好きな人…など。誰かのために生まれて来た命を、一番身近な人になかったことにされることが、どれだけ辛いことでしょうか。

私は、そんな子どもたちに、この手を差し伸べたいのです。今は、具体的に自分に何かできるか分りません。それでも、生きる意味があるからこそ、この世に生まれて来たと思っています。今は無理でも、いつかは、この手でたくさんの命を助けられるようになりたいです。

医師や警察官でも人の命を救うことができますが、不幸な理由で親と暮らすことのできない子どもたちの成長を一番近くで感じることのできる、児童擁護施設の職員になって、生まれて来た意味を持てるように、一緒にたくさんのことを経験し、発見や喜びを味あわせてあげたいです。

そして、一人でも多くの子どもたちが生んでくれた家族たちのところに笑顔で戻っていくことができる手伝いをしていきたいです。

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