ふるさとの史跡をたずねて【416】伝六⑯生長の家
伝六⑯生長の家
生長の家については俸誠会ほど書く材料はない。それなのに取り上げるのは、俸誠会・生長の家・伝六と三題噺のようにまとめて考えると便利だからである。お題の決まりに従えば、伝六・新興宗教・重井とすべきであるが…。ついでにサゲ(落ち)を考えると「OFF宗教」と言うことになる。
さて、生長の家の記憶と言えば、子供の頃「白鳩」という雑誌を近所のおばさんが置いて行った。母親が興味を示さなかったのか、二、三回で終わった。成長してから、それが生長の家の婦人部の機関紙であったことを知った。それだけである。
しかし、調べて見ると誠に興味深い。まず、創始者の谷口雅春氏が大本教の出口王仁三郎氏の口述筆記などをしていたこと。谷口氏の著書がベストセラーになったこと。また、書かれている奇跡のようなことが読者の周囲で何件も起こったこと。(これは壊れた時計がテレビを見ながら念じたら動き出したと言うスプーン曲げ騒動と似ている。)ここまでは生長の家以前のこと。
生長の家としては、早くから環境問題に取り組んできたことなど、社会的活動は活発である。宗教的には、神道、仏教にキリスト教、イスラム教、ユダヤ教などを融合させたものであり、万教帰一(ばんきょうきいつ)で、全ての宗教を認める立場を取っている。
一般的にはシンクレティズム(混合、融合、折衷)と言えるかもしれないが程度によるので単純に割り切るわけにいかない。しかし、多民族多文化社会の増えるこれからの地球では有効であると思う。ただ、元の宗教の希薄化は免れない。
生長の家で講演活動をされた村上利位氏の本があった。重井町のこととして、お寺は一カ寺で「大きな寺ではあるが、お説教はあまりない」、「お寺のお祭りらしきものがあまりないせいもあって」接待講ができている、と記している。
このようなところで、昭和27年頃俸誠会と生長の家が伝わり、重井町史に記録されるほどの盛況を示した。しかし、一カ寺の曹洞宗から改宗する人はいなかったのではないか。
それより130年ほど前に、伝六は功過自知録を村民に指導した。そこにどれだけの宗教的意義があったのだろうか。
(写真・文 柏原林造)
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