因島で見た野鳥【166】ウミアイサの群れが来る
2020年12月に因島の沖合に、はじめてウミアイサ・メスを見つけ、不鮮明な写真であったが、因島で見た野鳥として本連載【98】で紹介した。
2022年12月に、石田憲二さん(因島土生町)三庄湾でウミアイサが群れているのを発見し、その後、因島周辺の海域でしばしばウミアイサが観測され、その特徴がよくわかる写真が撮れたので、再び取り上げる。
カモ科に属する鳥の多くは、潜水して底生小動物も食べるが、主に水生植物を食べ、へら状のクチバシをしている。アイサ類もカモ科に属するが、他のカモ類と違い、魚を主食とし、カワウのクチバシのように細く先はかぎ形となっている。
日本へ冬鳥として飛来する主な種は、淡水域にいるミコアイサ、カワアイサと海水面にいるウミアイサの3種。ウミアイサの全長は、オスが59cm、メスが52cmである
写真①は、因島総合支所沖にいたウミアイサの群れを、石田憲ニさんが対岸より撮影したものである。
最も手前の鳥が繁殖羽のウミアイサ・オスである。クチバシと目は赤みを帯び、頭部が緑黒色でボサボサの冠羽を持ち、首は白い首輪状で、背は黒い。
写真②、写真③は椋浦湾にいたウミアイサで、頭部が茶褐色でボサボサの冠羽があり、背は灰褐色である。
これらは、ウミアイサのメスと思われるが、写真③の個体は、生まれて初めての冬を迎えたオスの幼鳥である可能性もある。
ウミアイサの情報提供と写真提供について、石田憲ニさんに感謝します。
文・松浦興一 写真・石田憲ニ、松浦興一
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