ふるさとの史跡をたずねて【262】高浜通谷道路改修碑(尾道市因島重井町長崎)

高浜通谷道路改修碑(尾道市因島重井町長崎)

因島重井町北西端から見る光景は、左から佐木島、宿袮島と三原方面、細島、馬神城跡とまことに美しい。特に満潮の頃になると海面の反射が引き立つ。そこのゴミステーションの隣に大きな道路改修碑がある。

中央に「本村字 自高浜至通谷 道路改修碑」、右左に「明治廿八年四月廿一日起工」「明治廿九年四月廿二日落成」と書かれており、丸一年を要した大工事だったことがわかる。

左面には総額八百七十二円、内訳として村費補助百六十円、関係寄付百四十三円、特別寄付七十一円、そして人夫三千三百廿人四百九十八円と書かれている。人夫一人当たり15銭(0.15円)という計算になる。

総額の内訳の中に他の収入と並べて書いてあるということは、支払った額ではなく無賃奉仕を一人の日当15銭として計上したとしか考えられないのは、これまでと同じ。でも人数が多いので、再度考えてみよう。

普請、人足、人夫などという言葉はもともと無賃奉仕に対する言葉だった。協力を「あまねく請う」のが普請。「万葉集」に出てくる防人(さきもり)、江戸時代の城普請に駆り出された農民も、日当などもらっていない。

日当という考え方自体が極めて現代的なのかもしれない。

村普請、略して「むらぶ」あるいはさらに略して「ぶ」と呼ばれるものが、かつてはよく行われていた。

なお、高浜はこの石碑のあたり、通谷は鬼岩のやや北側。

写真・文 柏原林造

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