ふるさとの史跡をたずねて【225】敬老会基金寄付碑(因島大浜町久保田記念公園)

敬老会基金寄付碑(因島大浜町久保田記念公園)

尾道特別支援学校しまなみ分校の一角にある久保田記念公園には、もう一つ紹介しておきたい久保田権四郎翁の寄付碑がある。

写真のように左に「敬老会基金」、右に「昭和五年三月」とある。これまでに紹介した石碑が道路や建物などの建設費であったから説明がなくても多くの人が理解できたと思う。しかし、昭和5年の敬老会基金と言われても何のことか想像もできない人の方が多いのではなかろうか。

私にもわからない。わからないと言えば、前回の小学校の講堂とともに作った敬老館についても理解しがたかった。小学校は村の中心だから近くに老人集会所のようなものがあってもおかしくはない。しかし、小学校の新築に合わせて老人集会所を建てるというのは、村の時代でも市の時代でもおかしい。だから敬老館は小学校の施設だと考えられる。

敬老館から3年後の敬老会基金の寄付であるから、敬老館の維持費や備品のことだろうかと思ったりする。

また、翌年の昭和6年には、権四郎翁の還暦記念行事が村をあげて盛大に行われている。還暦の祝賀行事に村の出身者が帰省するのは毎年行われていることだから現在でも特別のことではないが、これまでことを考えれば、権四郎翁の帰省を盛大に歓迎したいのは、全村民の共通の願いだったに違いない。しかし、経費をどうするか?そんな悩みを聞いた権四郎翁の配慮だったのであろうか。

この敬老会基金の寄付額は、一万二千五百円で、3年前の小学校校舎、講堂、敬老館の建設への寄付額の合計一万三千円に近いことを考えると、敬老館の維持費や備品とか、あるいは歓迎・祝賀行事などの費用などではないことがわかる。やはり文字通り「敬老会基金」であって敬老会運営に当てたものだと解釈すべきであろう。ただ昭和5年当時の「敬老会」というものが想像できない。おそらく今でいう「老人福祉」というようなものを考えればよいのかもしれない。

写真・文 柏原林造

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