9月14日⑦深浦観光ホテル

深浦観光ホテルの大きな部屋に案内される。夕食は付いて無いので少し早いが食事をとることにする。

ホテルの前に料理屋があった、そこで食事をしようとフロントに下りるが、そこには北前船という大きな旗が飾られて小さなフラッグもたくさん貼り付けてある。お土産品にも北前船にちなむ物がたくさんある。

北前船といえば福井の海岸というイメージが強く、こんな北の果ての港にと怪訝に感じたが、よくよく考えると江戸時代には北海道の物産が動くようになり、とりわけ江戸時代末期には大量の物産が運ばれるようになっていた。なるほどここは本土の貴重な北の果ての北前船の寄港地なのだと納得した。

しかしこれから先のこの旅の日本海側の港町岩船・新潟・直江津・敦賀すべて北前船を観光の目玉にしていた。マンネリ感にあきれるとともに観光の目玉の難しさを感じる。

ホテルの前の料理屋でマグロの刺身とビールをたのむ。私がこれは何マグロかと聞くと女将さんは不快げに本マグロと答えた。しまった、ここは本マグロの本場津軽海峡のすぐそばである。これでは話ははずまない。食べ終えすぐに港に向けて歩く。

田中伸幸（因島田熊町）

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