9月13日金①下北観光案内所

朝、朝食をいただく。昨夜から気付いていたがコメが実に美味しい。賄いのおばさんにそれを告げると八郎潟の「あきたこまち」だと誇らしげに答えてくれた。今東北にいるのだと実感した。

宿からタクシーで下北駅に行く。本州最北端の町の駅前である。広々しているが大きなビルはほとんど無く人もまばらである。しかし車は思ったよりたくさん走っていると言う印象である。産業はこれといって無く自衛隊の軍港があるぐらいの町、こんなものなのだろう。

「今日はレンタカーで下北半島を周遊しよう」と思い駅横のトヨタレンタカーに行くが、驚かされたのは軽自動車を半日借りて7千円以上が提示されたことだ。たちまちキャンセル。下北半島は恐山だけに行くことにする。

下北駅のそばの観光案内所＝写真＝に行き恐山行きのバス時刻を尋ねた。一時間待ちである。これは困った。ところが観光案内所は受付嬢一人だけであったが、私がパンフレットをいろいろ見ているとそれぞれを説明してくれる。斗南藩（となみはん）のことに興味があるのだと言うと、今斗南藩の史跡はほとんどが石碑のようなものだけで往時を偲ばせるものはないと、パンフレットを見せてくれ、なお質問するとスクラップを集めた大きなファイルを持ってきて、これを見なさいと差し出す。客が来ることはなく、受付嬢は貸し切り状態で下北の観光を説明してくださり楽しいバスの待ち時間過ごした。

恐山のイタコの質問をすると、普通ウィークデイにはいないのだが今日は一人いますという。親不孝な私は亡き両親に懺悔がしたくイタコを頼むつもりでいた。彼女は一人6千円、二人だから1万2千円になるという。あまりの高さにちょっと引けた。それにしても職務に精通する優しい受付嬢に感謝・感謝である。

田中伸幸（因島田熊町）

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