因島で見た野鳥【74】カシラダカ

スズメ目ホオジロ科の一種で、全長15cm、ユーラシア大陸北部で繁殖し、日本や東南アジアで越冬する冬鳥である。夏鳥のオスは頭や頬が黒いが、冬羽は、オス・メス共にホオジロのメスによく似て体の上面は茶色だが、冠羽を逆立てていることが多く、腹部は、茶褐色のホオジロと違って、白く脇に茶色の縦斑がある。因島で見たのは低木林で、地上で草の種子などを採食していた。「チッ、チッ」と地鳴きする。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは、2016年に絶滅の危険性が高いと判断された種(危急種)に指定された。
哺乳類は主に夜行性で、体色をコミュニケーションに使用することは少なく、おおよそ目立たない茶色から黒い色をしているが、鳥類は昼行性で派手な色合いのものが多い。
化石に色は残らないので、これまで恐竜図鑑に描かれているのは灰色かそれに近い色であった。しかし、鳥類の祖先が恐竜(本連載73)ならば、現在の鳥類の生態のいくつかは、絶滅した恐竜由来の可能性がある。恐竜も鳥と同じように派手な色合いをしていた可能性が考えられ、新しい恐竜像が生まれるであろう。
実際に、絶滅した恐竜の一つ「シノサウロプテリスク」では、尾に赤茶色の縞模様があることが発見されている。これからの図鑑では、鮮やかな色合いの恐竜も出てくるであろう。
因島大浜町のアメニティ公園の巨大な恐竜像は、尻尾を地面に着けて4本足で立っている。数十年前の常識では、恐竜は尾を引きずっていた。映画のゴジラも尾を引きずっている。しかし、足跡化石には尾を引きずった跡がないことから、現在では、恐竜の尾は、長い首とバランスを取るために進化し、尾を上げて歩いていたと考えられている。アメニティ公園の恐竜もそろそろ尾をあげるか、古い恐竜像の「歴史遺産」として保存されるのもよい。
(写真・文 松浦興一)
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