ふるさとの史跡をたずねて【349】名荷涅槃像(尾道市因島洲江町正善寺)

涅槃像(尾道市因島洲江町正善寺)

因島洲江町の曹洞宗天龍山正善寺には涅槃像(ねはんぞう)がある。

美術品の鑑賞には国宝とか重要文化財であるとか、誰々作とかのレッテルが付きまとう。しかし、この涅槃像を見ていると、そんな知識は関係なくただその目元の美しさを鑑賞すればよいという思いになる。なぜなら、その目元に仏教の本質が表現されているからである。

キリスト教はイエスという個人を旧約聖書で予言された救世主(キリスト)と信じる宗教で、人は神の子イエスにはなれない。

一方、仏教は釈迦という個人が悟った人(仏)になったと信じ、その境地を目指す宗教である。刑事ドラマなどではよく死体のことを「ホトケさん」と呼んでいるが、生前悟りに達しなくても死んだらその境地に達するということであろうか。

さて、涅槃像というのは釈迦の入滅を表現したものである。生前に既に悟っているのに、人はその入滅の表情に永遠の悟りを感じる。

正善寺の涅槃像にそれを感じることができれば、レッテルは不要である。

写真・文 柏原林造

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