因島で見た野鳥【86】カワウ闘う

2020年4月初めに、シギやチドリ類を撮影するために、ある潮遊池(国土交通省の資料によると、堤防に隣接し干拓地を囲むように配置される池のこと、「潮止め」とか「ホリ」と呼んでいる水面)で野鳥を待っていると、黒い塊が落ちて来た。

写真①

驚いていると、写真①の2羽のカワウ(因島で見た野鳥㉜で紹介)が、浮き上がって来た。頭を飲み込みそうに口に咥えている。もつれたまま沈んだり浮いたりした後、写真②のように離れて、頭を押さえ込まれていたカワウは難を逃れた。

写真②

「鵜呑み」を得意技にしているカワウには当たり前の闘い方かもしれないが、筆者には、命をかけた凄惨なバトルに見えた。ところが、写真②の後は、2羽は少しだけ距離をとり、一緒に池の中を移動し、やがて池から飛び去った。何事も無かったように見えた。

自然界では、無駄な争いを避けるために序列がきまっていることが多いが、その順位を決めるために、時々、「力試し」をする。このカワウたちも「力試し」をしていたのかもしれない。順位が決まれば、それ以上の闘いはしないということであろう。

餌場に群れが来るときは、最初に順位が下位の個体が餌場に降り、安全が確かめられた後、上位の個体が来て、下位の個体を追い散らして餌を食べる。結局、上位の個体が餌を取るのに有利となる。ところが、上位の個体が下位の個体を追っ払うのに忙しくて、自分自身が十分に食べられないこともあるらしい(上田恵介:「鳥はなぜあつまる」、東京化学同人)。この本には、次のようなことも紹介されている。

ニワトリは個体間で順位が厳密に決まっている。ところがである。7羽のグループでの観測であるが、簡単のために、4羽(A、B、C、D)のグループに例える。個体間の力関係を、A>B(AがBより強い)、B>C、C>Dとする。当然、A>B>C>Dの序列と推論できるので、B>Dと思われるが、実際は、DとBの間では、D>Bであった。力関係も得意・不得意に個性があり複雑らしい。

小学校の徒競走でいつもビリを走っていた筆者も、なんだか、救われる思いがする。(2020年6月28日記)

(写真・文 松浦興一)

因島で見た野鳥【32】カワウ

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