おとといより上手になりし鶯が裏の藪より表にまわる

山崎勝代
 作者の五感は確かで、命あるものの輝きに敏感に反応するらしい。鳴声に注目している作者の期待に反し、その鶯は藪裏から表になかなか回れない。それで、作者のイライラはつのる。


 鶯集団の鳴声から優れた一羽を選ぶ聴覚は、命の優劣を選別する必要上、生物種の違いを越え、雄より雌が優れていると思う。
 今日も、まだ裏にいるじゃないの、と秘かな応援者である作者は、「それで私はどうするの」と自問されたかもしれない。
 ところで、鶯語にも方言があって、仮にホウホケキョを標準語とすれば、ホォウホケ派、ホウホケキョケ派があったりして、聞くほどに妙味がわく。また、この鳴声派閥の勢力圏はだいたい谷ひとつぐらいの範囲と記憶しているが、素人の感覚なので、真偽は問わないでいただきたい。
 作者は、ある日、ある時刻、突然、期待していた鳴声を聞いた。それは、藪の表側から聞こえて来た。
 「思っていたとおり、あの鶯は出世したわ」と喜ぶ作者が目に浮かぶ。
 話題の焦点を繰り返すと、種の別に関係なく、生命は自己保存の知恵(優種選別法)を全生命系に植えつけていると思う。たとえば、盆栽にしても、樹木自身の整形能力以上に、ヒトの助力を介入させる方が優種選別上で有効など、周知のとおり。
 さて、新任の主席鶯に作者は何をプレゼントされたか…お尋ねしたいナ。まさか梅一鉢ではあるまい。
 立場を変え、晩餐の卓上にご主人の一皿が輝いているのを見た主席鶯は、一声美しく囀ったろうか。
 気になる結末ではある。
(文・平本雅信)

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